【娘への手紙】命の重さ

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カズオ・イシグロ『私を離さないで』は、英語で読んだのですね。

では私も、英語で読んでみましょう。

現実の世界でも、誰かの犠牲の上に、誰かの幸せは成り立っています。

この世界では、生まれる場所によって、命の重さは違うのだと、ある時に気がつきました。

それを嘆いているのは、自分は重い命なのだと自覚している人たちだけではないかと考えていた時もあります。

命について、どの場所も、同じ価値観を持っているのでしょうか?

 

写真は京都の東寺です。

私の好みで、禅寺みたいな写真になってしまいましたね。

東寺には、弘法大師空海のお寺、密教の立体曼荼羅があるの。

あなたも、見たわね。

彫像で、曼荼羅の図式を描いているのですが、とてもリアルで、空間が、生々しく感じます。

空海の時代は、一本木造りの、肉感的な丸彫り彫刻の仏像が出てきます。

太ももの張りが、とても色っぽいの。

プリって感じで。

春画よりも、色気を感じました。

色気とは、生のエネルギーの表現です。

弘法大師空海の密教美術は、エネルギーに満ちているのね。

 

仏教が伝来する以前と、伝来したあとと、日本人の命に対する思いは、どう変わったのでしょうね。

死に対しても。

仏像の、綺羅綺羅しさに欽明天皇は驚いたそうですが、その瞬間に、日本の命のあり方が、変わったのかもしれません。