【娘への手紙】日本美術の中に住まう

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安藤忠雄展で、光の教会のレプリカを見ました。

美術館の敷地の一角に、原寸大で作ってあるのです。

教会正面の壁に、十字架の形でスリットが入れてあるのです。

薄暗い教会の、コンクリート打ちっ放しの壁の裂け目から、光の十字架が浮かび上がっているのです。

感動しました。

ただ、スリットにガラスを入れていないので、寒いのです。

外気だけではなく、風も入ってきます。

まるで、京町家みたいと、親近感を持ちました。

町家の暮らしは、紙と木と土壁に囲まれています。

建材の質感が美しくて、美術品のなかで暮らしているようです。

ですが、快適さとは真逆の生活です。

家の隙間から入る風で畳が冷えて、靴下を履いていてもシモヤケになります。

朝起きて、ダイドコ(京都弁です。意味は台所)に行くのに、かなりの気合がいりますね。

安藤忠雄展で、「冬は家のなかでもスキー服で過ごさなければいけない」とのキャプションがありました。

有名なデザイナーさんの家でした。

その家だからこそ、デザイナーとしての精神を保てたというようなことが、書いてありました。

私も、京町家に暮らしているからこそ、心を保てています。

厳しい美のなかで住まう恩恵を、この冬も、ありがたく受け取りましょう。