【娘への手紙】美術史の切り取り方

あや写真

小旅行をしてきたのね。

あなたの生活は、どうやらキャンパスと小旅行での風光明媚な場所の往復ですね。

研究と、教える仕事と、たまの旅行。

勉強と、綺麗なものが好きなあなたらしくて、楽しそう。

 

今日は、木島桃村展の資料の搬入です。

直前まで、どの作品を展示するのか、迷っていました。

展示しない作品にも、意味があるのです。

私が、どの作品を選んで、どういう順番で展示するかによって、桃村という人の見え方が変わります。

会場の都合で、すべての作品を展示できないもの。

「私が選んだ、大事な作品」の展覧会になっています。

選ぶことは、本当に難しいわ。

 

多くの情報があればあるほど、伝えることの難しさを、痛感します。

物事は、切り取り方によって、意味合いが幾重にも変わってしまいますからね。

どこに光をあてるかでも、変わります。

同じ資料を展示しているのに、順番や、キャプションでの説明でも、印象が違って見えます。

これを知らないと、メディアの切り取った事実を、鵜呑みにして生きていくことになりますね。