【娘への手紙】狩野派の筆さばき

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京都も雪が降りました。

雪見石の上だけ、山茶花の木があるから、雪が積もっていないの。

 

この後で、東京の根津美術館で、狩野派の絵を見ました。

庭園の池が凍りつく寒さの東京に、狩野派の絵は、よく似合うわ。

京都の二条城の、寒い冬の大広間には、狩野派がピッタリだったから。

煌煌とした金と緑青に、太い墨の流線の厳しさは、冬に合うわね。

 

その前の日に、書道を習っていました。

先生の筆の動きが早くて、あっと驚いたわ。

なぜなら、私の描いている日本画は、岩絵具を垂直に置くために、筆を早く動かさないから。

筆で、絵の具を引くのではなくて、置くの。

だから、ゆっくりとした筆の動き。

それを見慣れていたから、驚いた。

1人で制作をしていると、自分以外の人が、どんな早さで筆を動かしているのか、分からないわね。

だから、狩野派の絵師は、どんな筆の動きをしていたのか、想像しながら見ていました。

鳴り物に乗って田楽を踊るように、リズミカルな筆さばきで、描いていたのかしら。

それとも、雅楽に合わせて舞楽を舞うように、ゆるゆると紙の上を滑らせていたのかしら。

動画が残っていないから、永遠の謎ね。

想像していると、絵の中に引き込まれていきそうだわ。