【娘への手紙】時間が描く絵画

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これは、京都の東寺で撮った、古くなった扉の一部です。

色々なものが、ぶつかって出来た傷が、美しいわね。

まるで抽象絵画のよう。

風化したものが、どうして美しく見えるのかしら。

これから先も、この扉は、傷を増やしていくのでしょうね。

進化する、自然の絵画みたい。

 

 

芸術の面白いところは、正確には、永遠に完成しないことかもしれません。

どんな作品も、物質として表現されている限り、劣化、風化していく運命にあります。

日本画の場合は、10年も経たない間に、紫外線による変色で、描き上がった時とは、雰囲気が変わります。

でも「変化していい」と感じる心を持っている人が多いのよ。

よく考えると不思議ね。

日本の四季の移り変わりや、生死観に、関係するのかしら。

変化を愛する人は、その瞬間、瞬間の存在を、愛している感じがするわ。

今、ここにあるものに集中できるからこそ、変化も受け入れられる。

有限と無限は、矛盾しないのね。